神奈川フィル 金聖響 常任指揮者 退任記念公演

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今年もめ~いっぱいクラシック聞いていくよぉぉー、

ということで、先月行われた、神奈川フィルハーモニー管弦楽団による、
「オーケストラ名曲への招待・金聖響 常任指揮者 退任記念公演」の感想です。



今回は2009年から5年間、常任指揮者を務めてきた、
金聖響(キム・セイキョウ)さんの退任公演でした。


場所は自宅から電車で5分。ほぼ地元の相模女子大学グリーン大ホール。



曲目は前半に藤倉 大さんのアトム、そして後半がマーラーの6番。
このマーラー6番「悲劇的」が以前、みなとみらいで演奏されたのが、3年前の3.11の震災の翌日。
今回は、その時に来れなかった人達への意味も込めての開催とのことでした。

「祈り、鎮魂とともに、本当の終幕」
そう題された今回の公演ですが、、タイミングが良いのか悪いのか、クラシック素人の僕には、
指揮者の金聖響さんもマーラー6番も、まったくの未経験だったわけです。



公演が始まる前の、恒例のロビー演奏には大勢の人に囲まれ、
コンマス(コンサートマスター)の石田泰尚の軽快なバイオリンのイントロに合わせ、
トロンボーン奏者にして、テノール歌手でもある倉田寛さんが声を乗せる。
なにが来るかと思いきや、
「♪....消ぉ~臭ぅ~力ぃぃ~!」
会場大爆笑。
なにこの美声の無駄遣い。このコンビ面白すぎです・・・。


相模女子大グリーンホールは、みなとみらいホールとは違い、
オーケストラの裏手に観客席はありませんが、
席一列ごとに段差の高さがあり視界が十分とれ、
座席の幅も広めで、クッションも良く、
個人的には、みなとみらいホールよりこっちの方が断然いい!
みなとみらいホールの座席はぶっちゃけ狭すぎだよね・・・。

そしていよいよ始まる藤倉大さんの「アトム」。
うーん、なんだろう。聞いていて面白いんだけど、
そこら辺にあるRPGのゲーム音にしか聞こえない・・・。

その後演奏も20分ほどで終了し、すぐに休憩が始まる。
えっ? もう休憩・・・?
あれ、今日はひょっとして、えらく早く終わるのか?
全然疲れていないし、これ休憩いらないんじゃ?
とかも思ったけど、後半のマーラー6番を聞き終えて僕は戦慄した。

このマーラー6番、演奏時間がなんと1時間20分でした...。
長すぎるだろオィ! 映画一本観れるレベルじゃねーかっ!
演奏時間知らないご年配の方の中には、トイレをずっと我慢していた人もさぞかしいたでしょう。
いやー、これみなとみらいの座席で聞いてたら、たぶん相当キツイぞ。

とまあ、演奏時間に関しては驚かされましたが、
マーラー交響曲第6番「悲劇的」の演奏そのものは、やっぱり感動しました。
素人目線で言えば、やっぱり打楽器が大活躍する第4楽章が一番テンション上がった。


シンバルやトライアングルに、画像にあるティンパニ(楽器名もようやく覚えてきた)など、
打楽器の覚醒した鋭利な音が、観客の身体と会場内を貫き通す。

そして何より特記したいのが、第4楽章の演奏に2回登場するあの巨大なハンマーですね。
自分はこの楽曲をまったく聞いたことがなかったので、
最初のハンマーが鳴った時は、本当、心臓が止まるかと思った・・・。

ぶっちゃけあれで、聞いていた年配の観客の中で、
血圧が上がったり、心臓が飛び出たりした人、実際何人か居たんじゃないかと思う。

そして再び、2回目のハンマーが振り下ろされる。
心の準備はしていたが、それでもあの迫力には圧倒された。
(ちなみに、打ち下ろされるハンマーが、「抗いがたい運命の瞬間」ということらしいです。)

というわけで、ハンマーの演奏場面を、動画の最初と最後(4:55)に2回抜粋してみた。


この大きさといい、振り下ろす力といい、たいていの生き物の息の根を止められるレベル。
これって本当に楽器なのかね?
今度楽器屋に行って「ハンマー下さい」って試しに言ってみようかしら。


そして個人的ベストテイクがこれ。
この 「グッワッッシャァァァーン!」 っていう地響きに思わずコーヒー吹いた。
おぃ、これ、もはや楽器っていうレベルじゃねーぞ!
お前は楽器ごと舞台を壊す解体屋かよ・・・。

そんな感じで楽しい時間もあっという間。
演奏終了後のつかの間の静寂、その後につづくは万雷の拍手喝さい。
心を打たれた観客の間からシャウトされる、賞賛の「ブラボー!」。

カーテンコールでは、一曲入魂の渾身の指揮をし、ちょっと涙ぐんでいる金聖響さん、
そしてこの5年間、神奈川フィルと共に歩んできたこの偉大なマエストロに、
会場全体が感動で包まれていました。

その後、オーケストラが退場し、観客もちらほら会場を後にしていた頃、
帰り支度をしていた僕たちの前に、金聖響さんが一人で再び舞台袖に出てきた。

残っていた人たちがもう一度、彼に拍手を送ると、
金聖響さんが笑って何度もお辞儀をしたり、合掌や胸に手を当てて応えていました。

万感の思いを顔に浮かべている金聖響さん、
それに心を打たれ賞賛を送る観客の方々、彼らの表情を見ると、

美しい旋律、美しい言葉、
それらは、形で表現しようとすると記号でしかないんだけれども、
人間を媒体とすることで、こんなにも愛おしくなる。
クラシックってすごい、音楽ってすごい、人って本当にすごいんだなと、
ますますこの世界が好きになりました。

金聖響さん、今まで本当にお疲れさまでした。



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